コラム
2026.06.01コラム
【実験】SBRゴムを油に浸すとどうなる?膨潤による劣化と材質選定の重要性
「ゴム製品がいつの間にかブヨブヨに膨らんで、ちぎれてしまった……」 そんな経験はありませんか?
ゴムには多くの種類がありますが、使用環境(特に油との接触)に合わせた「材質選定」を誤ると、製品の寿命は劇的に縮まってしまいます。
今回は、耐油性の低いSBR(スチレン・ブタジエンゴム)を浸透潤滑剤に浸漬させた実験結果をもとに、ゴムと油の相性について解説します。
1. 実験:SBRゴムを油に浸漬させる
こちらの写真は、SBRゴムの試験片を浸透潤滑剤に浸漬させている様子です。
一見、何も起きていないように見えますが、分子レベルでは大きな変化が始まっています。
2. なぜゴムは膨らむのか?「膨潤」のメカニズム
実験後、取り出した試験片を並べたのがこちらの写真です。
右端の試験片(浸漬前)に比べ、左側の浸漬後の試験片が明らかに一回り大きく膨らんでいるのがわかります。
なぜ膨潤が起きるのか? それは、ゴム分子と油の分子の化学的な構造が近く、「相溶性(なじみやすさ)」が高いためです。油がゴムの分子間に入り込み、内側から押し広げるようにして吸収されてしまうのです。
3. 見た目だけじゃない!恐ろしい「物性低下」
膨潤したゴムは、単にサイズが変わるだけではありません。最大の問題は、物理的な強度が極端に低下することです。
引張強度の低下: 少し引っ張るだけで簡単にちぎれるようになります。
硬度の変化: 本来の弾力性が失われ、柔らかく(脆く)なります。
耐油性のないゴムを油分のある場所で使用すると、シール不良や部品の破断など、重大なトラブルに直結するリスクがあります。
4. 正しい材質選定が製品を守る
油が触れる環境では、SBRのような汎用ゴムではなく、耐油性に優れたポリマーを選択する必要があります。代表的なのがNBR(ニトリルゴム)です。
使用する油の種類(鉱物油、合成油、植物油など)や温度条件によって、最適な材質は異なります。
ゴムの「困った」を試験で解決しませんか?
「この液体に対して、今のゴム材質で大丈夫だろうか?」 「実際の使用環境に近い状態で耐久性を確認したい」
当社では、こうしたお客様の不安を解消するため、浸漬試験および浸漬後の物性試験(引張試験・硬度測定など)を承っております。
浸漬試験: 指定の液体に一定期間浸し、重量や体積の変化を測定
物性試験: 浸漬前後の強度変化を数値化し、実用性を評価
確かなデータに基づいた材質選定で、トラブルを未然に防ぎましょう。試験のご依頼や材質のご相談は、お気軽に当社までお問い合わせください。
[リンク:【ゴムゴムの知恵】合成ゴム③スチレンブタジエンゴム(SBR)]
[リンク:【ゴムゴムの知恵】合成ゴム④ アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)]
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